加熱の仕方は5つしかない

料理は大きく分けると、生のまま食べるか、火を通すかのどちらかです。そして火を通す方法は、たった5つしかありません。

5つの違い

方法温度使う道具向いているもの
煮る・茹でる約100℃根菜、麺、卵、汁もの
蒸す約100℃フライパン+蓋葉物、薄い肉、魚
炒める・炒る150〜200℃フライパン薄い肉、細かく切った野菜
揚げる160〜180℃鍋と油衣をつけたもの、いも
焼く200℃〜フライパン、魚焼き器厚みのある肉、魚、パン

水を使う「煮る・蒸す」は、100℃より上がりません。だから焦げません。失敗しにくいのはこの2つです。油や直火はそれ以上に上がるので、おいしそうな焼き色がつく代わりに、目が離せなくなります。

覚えるのは、レシピではなく方法

レシピをひとつ覚えても、作れるのはその一品だけです。でも「蒸す」を覚えると、キャベツでも白菜でももやしでも、鶏でも豚でも魚でも、同じやり方で食べられるようになります。材料が変わっても崩れないのは、方法のほうを覚えたときです。

味つけと同じで、ここでも増やすのはひとつで足ります。5つのうち、まず1つを何度も使うところから始めれば十分です。

迷ったら「今日はどれならできそうか」から

何を作るかから考えると、なかなか決まりません。「今日は蒸すならできる」「炒めるのも無理だから煮るだけ」と、方法のほうから決めると早いです。

ゆとり飯によく出てくるのは、蒸す・炒める・煮るの3つです。揚げるは油の後始末という別の手間がつくので、ここではあまり登場しません。

まず、たんぱく質を意識する

食事を見直すとき、まず見るところをひとつだけ挙げるなら、たんぱく質です。

買って食べると、たんぱく質は減りやすい

外食も惣菜も冷凍食品も、それ自体が悪いわけではありません。ただ、丼もの、パスタ、揚げもの、パン。安くておいしく作ろうとすると、どうしても糖質と脂質の割合が増えます。たんぱく質は材料の値段が高いので、いちばん削られやすい部分です。

一食や二食ならなんともありません。ですが毎日それが続くと、カロリーは足りているのに、体をつくる材料だけが足りない、という状態になっていきます。なんとなく疲れが抜けない、という形で出てくるのはこのあたりです。

自分で作ると、そこを足せる

自分で作ることの一番の利点は、時短でも節約でもありません。何が入っているかを自分で決められることです。卵をひとつ足す、豆腐を半丁のせる。それだけで、買ってきた食事では届かないところに届きます。

ゆとり飯で紹介したいのは、そのための知識とレシピです。誰にでも当てはまる正解ではなく、自分に合ったものを自分で作れるようになるための材料を置いていきます。

たんぱく質は、手のかからないもので足りる

  • 卵(茹でる・焼く・落とすだけ)
  • 豆腐・納豆(切るだけ、開けるだけ)
  • ツナ缶・さば缶(開けるだけ)
  • 豚こま・鶏もも(炒める・蒸す)
  • ちくわ・しらす(そのまま)

「肉を焼く」だけがたんぱく質ではありません。卵1個、納豆1パックでも、ちゃんと1品として数えます。買ってきた弁当に卵をひとつ足す、それも立派な自炊です。

目安は、一食で手のひら1枚ぶん

細かい計算はいりません。肉や魚なら手のひら1枚ぶん、卵なら2個、豆腐なら半丁。これが一食の目安です。3食のうち1食でも足りない日が続いているようなら、そこを埋めるところから始めると変わります。

味つけは、ひとつ覚えれば無限に広がる

ゆとり飯のレシピは、6つの調味料だけで作れるようにしています。塩、酒、みりん、しょうゆ、酢、砂糖。これだけです。

専用のたれやスパイスを買い足さなくていいことは、続けるうえでかなり大事です。使い切れないまま冷蔵庫で古くなる瓶が増えません。

基本は「1対1対1」

しょうゆ1・みりん1・酒1。大さじ1ずつで覚えます。これが和風の土台です。砂糖を小さじ1足せば甘辛、酢を大さじ1足せばさっぱりした味になります。覚えるのは、この土台ひとつで足ります。

配合使いどころ
基本(照り焼き)しょうゆ1・みりん1・酒1鶏、豚、ぶり
甘辛基本+砂糖1/2丼もの、そぼろ
さっぱり基本+酢1煮もの、南蛮風
塩だけ材料の重さの0.6〜0.8%蒸しもの、スープ

同じものを何度も作ると、幅が出てくる

一度にいくつも覚えようとすると続きません。同じ配合で繰り返し作っていると、「今日はもう少し甘いほうがいい」「酢を足したい」と、自分の側に基準ができてきます。そうなってから足すと、味が壊れません。

そこまで来れば、あとは1つ足すだけで方向が変わります。ゼロから別のレシピを覚え直すわけではありません。

  • ごま油とオイスターソースを足す → 中華風
  • バターとこしょうを足す → 洋風
  • にんにく・しょうがを足す → こってり
  • 豆板醤を足す → ピリ辛

味が薄いと感じたら

調味料を足す前に、火を少し強めて水分を飛ばしてみてください。それだけで決まることが多いです。それでも足りないときだけ、しょうゆを小さじ1/2ずつ。一度に足すと戻せません。